新人プランナーとしてChatGPTを召喚してみる
こんにちは。ナラティブデザイナー時々プランナーの田邉です。
ここのところ「猫も杓子もAI」というような、「この先、AIスキル重要なのでは」というような潮流を感じております。
もちろん、これまでも様々なところでAIは使われているかと思いますが、もっとこう、とても身近で手軽なところまで、気づけばAIがにじり寄ってきていた、ような…
ということで、ブログ順番回ってきたこの機会に、わたしもちょっと試してみようかと思いました。(5分で読めるレベルの内容ですが、画像が多いので記事自体は長いです、ご注意くださいませ)
で、取り出したりまするは「ChatGPT」です。
話題のツールなのでご存知の方も多いかと思いますが、こちらは「質問に対して、人間を相手にやりとりしているような“自然で詳細な回答”を得られる」という対話に特化した言語モデルで、その内容精度たるや「専門家が見抜けない科学論文を生成する」だったり「大学レベルの試験の自由記述問題に合格可能」だったりと、全世界のユーザーを「恐ろしい子…!」と白目にさせていると言うしろものです。
どのくらい「恐ろしい子」なのか、まずはちょっと試してみましょう。赤いアイコンのラインがわたしの質問です。
リアルタイムでこの返答…
前提説明からの要点列挙、その順番さえもココロ憎い…そしてなにより、冷徹なまでの客観性。ChatGPT…恐ろしい子!
ではこういったツールを、どうテキスト制作、ストーリー制作に利用できるのか?
いきなりシナリオ書かせるとか、そういう舵取り自体をAIにさせるのはどうかと思うので、あくまで人間の手助け部分で活用したいです。おもしろいところと大事なところは、人間がやるです。(それに他者の書いたものを直す作業はすごくしんどいので…出来る限り避けたいです)
なので、馬力・人力があるとより良いと思われるところ…「アイデア出し」「バリエーション出し」あたりで使えるなら、非常に有用と言えましょう。
それではChatGPTさん、はりきってどうぞ!
ケース1:イベントタイトルのアイデアを出してもらってみる。
実際の制作物と比べられる方がいいかなと思いましたので、自社制作物から…例えば昨年実施したイベント『あやかしたちの夏宴』の場合、どう考えるのかを聞いてみます。
イベント、って言ってもわからないと思うので「映画のタイトル案」として募ってみることにしました。
もうちょい、はりきりなさいよ…とコンマ2秒思いますが、コレは指示が悪いわけです。案出しは数があってなんぼです。ので、再度リクエストしてみます。
こやつ…一番やっちゃいけないパターンで数を揃えてきたな…とコンマ5秒思いますが、これもやっぱり指示が悪いのでしょう。さらにリクエストを明確にします。
うん、がんばった。がんばったぞ。
「女将」は浴衣から引っ張り出したのだろうか…? まあ、あらすじ量が少ない&適当なので責めません(ちゃんと詳細にあらすじ伝えたらすごいの作ってくれるのかもしれないし)。それにこういう「斜め上の視点の提供」は、人間が煮詰まった時に役立つかもしれません。
ならばそれを踏まえて、もう少しやってみます。
ケース2:設定のバリエーションを出してもらってみる。
もっと根っこに近いところで、検討素材のバリエーションを羅列してもらうのはどうだろう、と思ったので、こちらも昨年のクリスマスイベントから、「ボスが雪だるまの場合」の設定を募ってみます。
ChatGPTさんは培ったものを無にしない子なんだね…うん、その姿勢大事だよね… と遠い目になりつつ、指示を明確にします。
ごくありきたりの前提みたいなものしか出てこないため、このあといろいろ試してみました。ちょっと言葉を変えるだけでは似通った返答が戻ってきます。
ので、言い方や聞く内容をより具体的にしつつ何度か試していったところ…
自分が「こういうのだったらほしいな」と思える素材が出てきました。
こういうのがたくさんあると「様々な案を検討して作成する」ということができます。思いつきのワンアイデアでなんとかするより、より真摯なものづくりができそうです。(時間がたっぷりあれば人間がなんとかするししてきたことですが、追われる仕事となるとなかなかそうもいかない訳で)
ちなみにChatGPTはこれより粒度細かい案も出せなくもないのですが、やはり集合知であるところのAIなので「どこかで見たやつ」が出てきます。
そういうものを改造するのは逆に手間というか、考える幅と、結果できあがるものを狭めそうだな…というのが自分の印象なので、これくらいざっくりしてるところから、自らのイメージを広げるツールとして使うと有用な気がしました。ChatGPTさんも人間性…思考力と想像力の低下を心配してましたし…
いますぐChatGPTを利用してどうのこうの、みたいなことは考えておりませんが、今後「AIになにかを依頼するのが当たり前」みたいな時流が来た時に備える意味でも、新しい技術には常に触れておきたいな、と思います。
そして今回、AIを「使えるプランナー」にするのも「そうでもないプランナー」にするのも、こちら人間次第…ということがよっくわかりました!