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集中を「運用」しよう
こんにちは。新人プランナーの橋詰です。
最近、悩んでいることがあります。それは業務時間中の集中力不足です。今回の記事は、その悩みを解決するために読んだ「ATTENTION SPAN デジタル時代の『集中力』の科学」という本について紹介します。著者のグロリア・マーク氏は、マルチタスクや集中の中断、デジタル機器の使用にともなう感情など、デジタル機器が人間の生活に与える影響を長年研究している心理学者です。本書では、著者が自身の研究と最新の学説をもとに、デジタル機器と集中の関係や集中をコントロールする方法について解説しています。
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グロリア・マーク(著)、依田 卓巳(訳)
本書の特徴
この本の特徴は、集中力を上げるのではなく、集中の効果的な運用を目指すという内容です。心理学では、人が情報を処理するときに消費する「認知リソース」があり、これには限りがあるという考えがあります。もちろん、このリソースは集中とも大きく関係しています。本書では、この認知リソースのバランスを保ち、集中を効果的に管理することで、生産性や幸福度を高めることができると述べています。
集中を運用するには
しかし、集中をコントロールすることは簡単ではありません。ついついスマホを見てしまうなど、本来すべきでないことに熱中してしまうこともあります。そこで本書では、すべきことに集中するための方法も紹介しています。その中でも特に面白かったのは、「メタ認知」を利用するという方法です。この「メタ認知」とは、自分がどのような状況・環境にあるのかを客観的に認識することです。これを習慣化することで、現在の行動が目標達成に必要かどうかを振り返り、自分の行動を意図的に選択する力がつき、適切なタイミングで適切な対象に適切な集中を割り当てる、集中の運用へとつながるそうです。
環境を変えたり、集中力を高めるのではなく、集中を管理する力を養うというこの本の考えは新鮮でした。他にも集中力に関する意外な内容から基礎的な知識まで、幅広い情報が含まれており、とても勉強になりました。まずは、普段の生活に自分を客観視して行動を振り返る「メタ認知」を取り入れ、集中の効果的な運用を目指したいと思います。