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新人日記

2次元表現を用いた3Dアニメーションおすすめ映像作品

あけましておめでとうございます。新人デザイナーの佐藤です。今年もよろしくお願いします。
さて、今回は、「2次元表現を用いた3Dアニメーション映像作品」をいくつか紹介させていただければと思います。


2次元表現を取り入れた3Dアニメーションは、2018年にアカデミー賞長編アニメーション賞を受賞した『スパイダーマン:スパイダーバース』をきっかけに注目が集まりました。私自身も学生時代に同作を映画館で鑑賞し、これまでに観てきたディズニーやピクサー作品、日本のアニメとは異なる映像表現に大きな衝撃を受けました。その経験から、2次元的な表現を取り入れた作品に惹かれ、さまざまな作品を探してきました。今回は、その中でも特に印象深かった3つの作品を紹介します。

『スパイダーマン:スパイダーバース』

まずご紹介するのは、冒頭でも触れた『スパイダーマン:スパイダーバース』です。この作品は、アメリカンコミック風のビジュアルと3Dアニメーションを融合させた革新的な映画です。主人公マイルズ・モラレスが異なる次元から集まったスパイダーマンたちと冒険を繰り広げる物語で、2023年には続編『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』も公開されました。

この映画の特筆すべき点は、キャラクターごとに異なる画風やフレームレートを用いるなど、細部までこだわり抜かれた2次元風の演出です。特に続編で登場する「スパイダーパンク」というキャラクターの動きには、パーツごとにフレームレートが異なるというユニークな技法が使われています。また、アクションシーンやエフェクトには手描き風の要素がふんだんに盛り込まれており、まるでアートを観ているような感覚を味わえます。見るたびに新たな発見がある、まさに視覚体験そのものを楽しめる作品です。

『キッド・カディ:Entergalactic』(Netflix)

次に紹介するのは、Netflixオリジナルアニメ『キッド・カディ:Entergalactic』です。この作品は、ラッパー兼音楽プロデューサーのキッド・カディが原案・プロデュースを手掛けたロマンティックコメディで、ニューヨークを舞台に隣人との恋模様を描いています。

映像表現は『スパイダーバース』に近いスタイルで、手描き風の3Dアニメーションと音楽、ファッション、街並みが絶妙に融合しています。ニューヨークのマンハッタンやブルックリンが細やかに描かれ、ストリートアートやアジア系のお店のディテールも魅力的です。「お洒落」という言葉がぴったりな作品で、何度でも見返したくなるような仕上がりになっています。

『Arcane(アーケイン)』(Netflix)

最後にご紹介するのは、Netflixシリーズ『Arcane(アーケイン)』です。オンラインゲーム『リーグ・オブ・レジェンド(LoL)』を原作に、ゲームの前日譚を描いたアニメ作品で、フランスのアニメスタジオが制作を担当しています。昨年11月にはシーズン2も配信が開始されました。

この作品は、2Dアートワークを背景に使用し、3Dキャラクターと融合させることで独特な映像美を実現しています。物語は、先進的な地上都市「ピルトーヴァー」と抑圧された地下都市「ゾウン」を舞台に、姉妹ヴァイとジンクスの関係を描いたオリジナルストーリーです。キャラクターの表情描写や美しい背景美術、そしてゲーム未プレイの視聴者でも楽しめる親切な作りが特徴です。フランス漫画「バンド・デシネ」の影響を受けたビジュアルも新鮮で、日本やアメリカのアニメとは一味違う魅力があります。

今回ご紹介した3作品は、どれも2次元表現を活用した3Dアニメーションの素晴らしさを堪能できる作品ばかりです。近年、こうした表現を取り入れた作品が増えており、ますます注目を集めています。この機会にぜひ一度、ご覧になってみてはいかがでしょうか。


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