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新人日記

TGSの巨大ブースにて感じたこと・考えたこと

こんにちは、新人プランナーの橋詰です。

10月の半ばに入り、2024年もあと2カ月という事実に、得も言われぬ焦りを感じております。今回は、9月に行われた東京ゲームショウを見学した際に、ブースの力の入れように驚いたことと、それについて考えたことについて書いていこうと思います。

ブースにて感じたこと

幕張メッセに到着し、長い行列に並び数十分、ようやく会場に入場し、数多の人とブースが目に飛び込んできました。今年は例年よりも多い来場者27万4739人、出展団体985団体という規模だったそうです。そんな数多の人と企業ブースの中で、私が特に衝撃的だと感じたのは、有名企業のブースへの力の入れようです。超巨大な展示や素晴らしい試遊ゲームだけでなく、メモ帳やキーホルダー等のグッズをコスプレイヤーの方が配布していたり、著名なゲーム制作関係者の講演、新作ゲームの雰囲気を表現したショーなどなど、たくさんの楽しませる仕掛けに驚いてばかりでした。そして同時にこうも思いました。こんなにお金や力を入れて大丈夫なのだろうかと。そこで、見学した際に感じたことと、本を読んで調べたことから考え付いた、ブースに力を入れる理由を2つほど書いていこうと思います。ただ、最近読んだ広告やマーケティングに関する本に基づいて書いていますので、認識が甘い部分があるかと思います。ご容赦ください。

理由1.インパクトの大きさ

まず一つ目はインパクトの大きさが重要だからです。東京ゲームショウでは、たくさんの人が来ますし、メディアの取材も来ます。これは宣伝には絶好の機会です。しかし、同時に企業もたくさん来ます。『入門・消費者行動論』〔髙橋郁夫、高嶋克義(著)2024年〕という本では、広告の効果が阻害される要因の一つとして、伝達の問題を挙げていました。

「第3に、伝達の問題がある。そこでは、標的顧客へ広告がうまく到達しなかったり、競争によって氾濫する広告環境の中で、自社の広告が埋没してしまったりという状況が考えられる。」

『入門・消費者行動論』〔髙橋郁夫、高嶋克義(著)2024年〕P197

多数の企業がブースを構えている東京ゲームショウの状況はまさに、「競争によって氾濫する広告環境」ではないかと思います。そんな中で、自社の宣伝効果を高めるために、他社よりも目立つ必要があります。そのために、展示や試遊だけでなく、催しやグッズなど様々な仕掛けを用いてインパクトを高めているのではないかと思います。

『入門・消費者行動論』
髙橋郁夫、高嶋克義(著)2024年

理由2.宣伝効果の高さ

次に、宣伝効果がとても高いからです。先ほど引用した本にて、消費者は接触した広告の情報を全て処理できるわけではなく、消費者の関心の有無や広告のインパクトの強度によって、消費者が広告に注意を払うかどうか変わるという内容がありました。これを考えると、東京ゲームショウに来る人、それに関する記事や動画を見る人というのは、ゲームに関心がある人であり、広告に注意を払う人と捉えることができます。そう捉えると、東京ゲームショウは広告が効果的な人に届きやすい場所とも言えます。また、5Aフレームワークという、商品の存在を認知し、それを利用するにいたるまでの流れをモデル化したものがあります。その流れとは、
 ①商品を認知する(Aware 認知)
 ②商品に惹きつけられる (Appeal 訴求)
 ③商品について調べ、良いものだと確信する(Ask 調査)
 ④商品を利用する (Act 行動)
 ⑤商品を気に入れば他の人に推奨する (Advocate 奨励)
という流れです。東京ゲームショウではこの5段階の流れが全て起きるのではないかと思います。ブースや頒布物などで存在を認知し、ブースの展示によって商品に興味を持つ、試遊することで商品が良いと確信すること・利用することが同時に起き、SNSや記事などで他の人に推奨する。このように、最後の段階である、他の人に推奨する段階まで起きることで、ゲームショウに来た人以外にもたくさんの人に届く可能性があります。この二つから、宣伝効果が高い多数の人に自社の商品が伝わる可能性があるからこそ、ブースに力を入れるのではないかと思いました。

東京ゲームショウを見学し、この理由を考える過程で、ゲームは作るだけでなく、売る部分もとても大変なことなのだと感じました。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

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