ついこの前までオリンピックを開催していた気がするのですが、いつの間にか長袖シャツだけでは心もとなく、上着が手放せない季節になっていました。秋はどこにいったのでしょうか…　

　肌寒くなると食べたくなるものといえば、ラーメンです。なんだかんだと理由をつけては年がら年中、ラーメンを食べている感もありますが、夏場はさっぱりした醤油ラーメンや少々冷めても美味しいつけ麺、より涼しさを求めての冷やし中華と、季節に応じて食べたくなるものが微妙に異なります。ではこれから寒くなる冬場に向かってぴったりのラーメンは何か？　ということで、思い浮かんだのが今回のお店です。

　代々木駅東口というあまり人通りのない出口を抜け、明治通り沿いを新宿方向へ歩くこと数分。黄色い壁に大きな文字で「生姜醤油ラーメン」と書かれた店が目に入ります。入り口は大きなガラス扉で店内の様子が見て取れるので、混雑具合も一発でわかります。お昼時を外してのせいか、今日は空いている模様。

　代々木に事務所を構えるまで、「生姜醤油ラーメン」なるものは食べたことがありませんでした。なんでも新潟長岡のご当地ラーメンだそうで。メニューは生姜醤油ラーメン、生姜塩ラーメン、油そばなどがありますが、この店に来た限りは生姜抜きは考えられないのでいつもの通り、生姜醤油ラーメンに背油入りを注文。

　カウンターごしで店員さんがテンポよくラーメンを作る姿を眺めていると、あっという間に目の前へラーメン到着。鼻につく生姜の良い香り！まずはスープを一口。濃い目の醤油スープにキリッとした生姜のあうこと。単体で食べるとやや重たく感じる背油も、さっぱりした生姜と一緒だとまるで体に良い食べ物であるかのような勘違いをしてしまいます。やや細身のストレートな麺は少し柔らかめで食べやすく、つるつるとあっという間になくなっていきます。トッピングはメインとなるすり下ろした生姜以外に青ネギ、メンマ、チャーシューに岩ノリ。綺麗なピンク色をしたチャーシューがこれまた美味しい。

　麺も具材もスープも美味しいのですが、やはり何といってもメインは生姜。ラーメンというより「生姜」を摂取しに来ている感すらあります。そういう意味では牛丼に近いかも。あれも紅ショウガを食べているようなものですからね。

　個人的には風邪気味かな、と感じたときに何度かこちらのお店で生姜をたっぷりいただいて乗り切るという使い方をしています。どれほど効果があるかは定かではないのですが、そこから体調復帰することも多いので自己暗示にはちょうど良いかもと納得しています。

　いずれにせよラーメンにしては体に良さそう、と感じられるのがポイント。食べたあとに背徳感のない貴重なラーメン屋です。今年の冬もたくさん利用させていただく予定。ごちそうさまでした～