Blender→MAYA移行で戸惑ったこと
こんにちは、デザイナーの工藤です。
私は業界未経験からの中途入社で、今年で3年目になりました。入社前はずっとフリーソフトのBlenderでモデリングをしていたので、プロユースソフトであるMAYAは入社後はじめて本格的に習得する事となったのですが、最初の一年はBlender→MAYAの操作感や機能の違いに非常に戸惑った事を覚えています。利き手を封印されたかのようなもどかしさで何度もBlenderに戻りたいと思っていました。(そしてMAYAに慣れた頃、久々にBlenderを解禁したらすっかり操作を忘れており、逆にMAYA→Blenderでもちょっと困ることになるのですが……)
今回はそのBlender→MAYAで戸惑った事をご紹介します。
①ひっぱり移動
これは選択した部分を中心に、円の大きさの範囲内も連動して動かせる機能なのですが、何が違うのかというと、Blenderは移動しながらマウスのホイールで円の範囲を調節できるのです。(個人的にこれが出来ないと本当にしんどいです。これはBlenderユーザーあるあるなのではないでしょうか。)
どうにかMAYAでも同じようにホイール調整する方法は無いかと、人に聞いてみたりgoogle検索やTwitterなどで探したものの、情報は見つからず。MAYAユーザーの方はそもそも「これで慣れているので困ってないし……」との事で、私の周りのBlenderユーザーに聞いても「え、できないの?それはきついね。」と、BlenderとMAYAを併用している方自体があまりいらっしゃらない印象を受けました。
私が知らないだけでMAYAでも方法はあるのかもしれません……ご存知の方は是非教えて下さい。まあまあ困っています。
②視点の切り替え
MAYAでは1でオリジナルメッシュ、3でスムーズプレビューになるため、真横からの視点に切り替えるつもりでうっかりスムーズプレビューにする事が今でもよくあります。逆にBlenderで操作をしている時にちょっとスムーズプレビューにしたいと思ってうっかり真横視点にする事もあります。どちらも甲乙付け難く便利です。
③モディファイアのON/OFF
Blenderではミラー、ベベル、厚みづけ等のあらゆる効果をPhotoshopのレイヤーの様に扱え、非表示にしたり削除して簡単に元に戻す事ができます。MAYAにもヒストリーという機能がありますが、頂点数が変わると形が崩れたり、行った処理に対してそこまで融通が利かないので、最初はどこに元に戻すボタンがあるのかなと混乱しました。仕組みが全然違う事にピンと来てなかったのです。
今でもあまり詳しくありませんが、サブディビジョンサーフェス+ミラーの状態から一時的に非表示にしたり消して元に戻せる事は分かりました。
④BlendShape
BlenderはシェイプキーもPhotoshopのレイヤーの様に作成できます。MAYAはシェイプキー毎にBaseモデルを複製して形状変更してからBaseモデルに適用します。さらにBlenderだと、頂点数の増減を伴うBaseモデルの形状変更がとても簡単にできるので、シェイプキーの作業はなるべくBlenderでやりたい気持ちです。
UVやスキニング作業はMAYAの機能の方が優れているのでMAYAでやりたい所なのですが、MAYAとBlender間でデータを行き来するにあたって気を付けなければならない点が有り、行き来する中でFBXデータの一部に謎のシャープエッジが出来ていたり、サブディビジョンが一緒の結果にならなかったりと、気付いたらデータが変わっていたという事があるので、作業工程の順番に気を付けて併用しなければならないのが悩ましい所です。
やはりMAYAでの作業をメインにしないと危ないなあと思っています。
⑤面貼り
Blenderは「F」で連続で貼ってくれます。MAYAはQuad Drawの他にもFill HoleやAppend to Polygon Toolやbridgeなど色々な方法があります。Blenderに慣れているとついFを押して視点を変えてしまいます。
⑥エッジスライド
当時のMAYA2017はショートカットで出来なかったので、毎回右側のモデリングツールキットで切り替えていました。今ではMAYAでも簡単にエッジスライドに切り替えられ、ショートカットの位置的にもこちらの方が使い勝手がいいなと個人的に気に入ったので、Blender側でもショートカットを変更して使っています。
などなど。他にも色々あったと思います。
作業をする中で複数のソフトを操作する事はよくあり、MAYAの操作感を基準にされている事が多いように感じますので、これから就職を考えている方はBlenderの操作をMAYA化するアドオン(Maya Config Addon For Blender 2.8)を利用して覚えた方が良いかもしれません。