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社長日記

ポケモンGOの本:その1

ゲームに関する本の紹介、3冊目。少し古い本が続いたので新しいところから選んでこの1冊を。

『ど田舎うまれ、ポケモンGOをつくる』
著:野村達雄

社会現象ともなったポケGOのディレクターが日本の方だとはうっすら知っていたが、実はもともと中国生まれの中国人で、日本に帰化した人だったとは初めて知った。祖母が満州建国のために日本から中国に渡り、敗戦後、帰国できず日中共同声明で国交を回復してからようやく祖国の地に立ったという非常に大変なご苦労をされた方で、その関係もあり、ご両親が日本に移住することを決めたそうだ。幼少期、中国での生活の主食は激薄のトウモロコシ粥。

>アメやお菓子を買えなかったので、よくお椀に水と砂糖を入れたものを一晩中外において、凍らせたものを舐めていました。(P.22)

およそ2~30年ほど前の話とは思えない厳しい環境。それゆえ、日本に来ていろんな苦労があっても全然めげずに好きなことに打ち込むのだな、というのが読んでいてとても伝わってくる。面白いのが、ゲームを遊ぶ中でプロアクション・リプレイにはまるくだり。

>この文字の羅列がどういう仕組みでキャラクターのレベルを100にするのか不思議だったのです。『ゲームラボ』という雑誌に改造コードのことが載っていたので、よく本屋さんに立ち読みに行きました。(P.49)

世界一ダウンロードされたゲームが、あのゲーラボのおかげとはなぁ! 三才ブックスに足を向けて寝れません。そこで16進数を知り、アルバイトしてPCゲット(ソーテックてのがまた泣けてくる)、自作アプリ開発、理数系大学への進学、と美しい流れ。

東工大大学院在学中にgoogleのインターンに採用されてからは、話題となったgoogle map 8bit などITとゲームのハイブリッドな作品を定期的にリリース、ポケGOに至るというわけです。

Google Japan Blog「ファミコン版 Google マップ 8 ビットができました。」
https://japan.googleblog.com/2012/04/google-8.html

>こうして今でも自分の好きなことを続けられているのは、半分は幸運に恵まれていたからだと思いますが、もう半分はいつも本気で目の前のことに取り組んでいたからだと思います。(P.126)

並大抵ならぬ苦労や努力があってもそれにはほとんど触れず、常に前向きで全力投球。ポケGOの次は何が出るのか想像もつきません。本文はもっと気軽に読めて、読後感はとてもさわやか。オススメです!

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