
観察の練習
こんにちは!新人デザイナーの谷村です。
今回は私のお気に入りの書籍を紹介していきたいと思います。
私は学生の頃に芸術家である赤瀬川原平さん方が提唱した「路上観察学」に影響を受けました。
路上観察学とは、都市の路上で見られる違和感や、意図せず生まれた面白いものなどを探す路上観察の学問です。
路上観察で見つけられる有名なものでは、人が生活や開発を繰り返す中で偶然生まれたトマソンと呼ばれる建築物があります。
役に立たないのにも関わらず、街中に人が作った構造物があるという点で芸術作品のようにも見えてきます。
書籍の紹介
さて、今回ご紹介する「観察の練習」という書籍は、そんな日常に潜む違和感を見つける見方のきっかけが掴めるような本ではないかと思います。

菅 俊一
この本は世界全体を観察対象と捉え、普段は見過ごしてしまっている日常の中の小さな違和感に気づく練習を目的として制作されています。
本の中には、作者である菅俊一さんが撮影された56枚の日常風景の写真が掲載されています。
まずそれらの写真の中にある違和感がどこにあるのか考えてみて、その後作者はその風景から何を感じ取ったのか考えを照らし合わせながら読むことができます。
同じ写真から何を感じるか、どう考察するかは人によって違うこと、また書いてある内容はあくまで状況から判断した作者の推測と仮説であるため、なぜその違和感が生まれたのか正しい答えがないことも面白いです。
実際に観察をしてみて
最後に私が路上観察で見つけたものを掲載したいと思います。

こちらは先日、駅の大通りで開催された阿波踊りのイベントの最中に撮影したものです。
交通規制が行われ、車が通ることが出来ないので信号機の明かりが消されています。このような状態を見ることはほとんどないのでとても新鮮に感じました。
人類が滅びた後の地球では、このような感じで電気が通っていない街の風景が広がっているのかな……などと想像してしまいました(この写真では背景の建物には明かりがついていますが笑)。
私はクリエイターに求められている役割は、周りとは違う角度で世界を観察し、その新しい視点を伝えることで、社会の中に新たな価値を見出し提供することだと考えています。
その点では、路上や日常風景を見ることは一番身近な観察の練習になりそうです。
今回の記事は以上になります。ここまでお読みいただきありがとうございました!