Blog

制作現場の日常

AIアシストによるアニメーション制作

こんにちは。アニメーターの八谷です。

近頃は3Dアニメーション関連の生成AIがいくつか見られるようになってきましたね。
便利な時代になってきたなぁと思う一方、プロンプト入力で生成されたアニメーションはまだまだ業務で使えるほどの精度を出せていないなとも感じています。

そんな中、とあるAIアシスト機能付きアニメーションツールを試したところ、これなら業務としても使えそうだと思ったものがありました。
ということで今回は“Cascadeur”について簡単に紹介します。

■Cascadeurとは?
AIアシストと物理演算をベースとした3Dキャラクターアニメーション作成ソフトウェアです。
キャラクターのポーズが物理的に自然な姿勢になるようAIが補正したり、末端部分の揺れなどを物理演算に基づいてAIが自然な動きを追加してくれるものです。

実際にどのようなことができるのかを見てもらうために、シンプルなキャラクターをCascadeurで動かしてみました。

①ベースとなる動きを作成

片足で前進移動するよう始点と終点にのみキーフレームを追加しました。
しかし人間はこのように地面を滑って移動することはありませんよね…

②AutoPhysicsを適用

ここでAIの出番です。目的地に到達するにはジャンプをする必要があるとAIが判断し、必要な動きを自動で追加してくれます。

③SecondaryMotionを適用

次に固く見える動きを柔らかく見せるために体の各部位に揺れなどの物理挙動を追加します。(この時点ですでに結構イイ感じ!)

④ブラッシュアップ

AIがアシストしてくれたおかげで基本的な動きは出来ています。
あとは手作業で細かな調整をして完成です。

上記はCascadeurの機能の一部ですが、これだけでもアニメーション制作の大きな手助けとなりそうです。
まだまだ勉強中ですが、他にもAutoPosingやTweenMachineなど魅力的な機能が充実しており、純粋にアニメーションツールとして非常に優れているなと感じました。
普段のアニメーション業務で使用しているMayaにも強力な機能が揃っているので、Cascadeurと併用することでそれぞれの強みを活かしながら作業の効率を上げられたらなと思っています。

ということで今回はここまで。
お付き合いいただきありがとうございました。

次の記事へ