
ファイル形式の基本を押さえよう
こんにちは。新人デザイナーの佐藤です。
今回は、デジタルデータを扱う上で欠かせない「ファイル形式」についてお話ししたいと思います。
日々の業務では、作成したデザインデータをアップロードしたり、渡したりする際に、指定されたファイル形式で出力することが当たり前になっています。しかし、「なぜそのファイル形式を選ぶのか?」と深く考える機会はあまりありませんでした。
今後は、指示された形式でデータを出力するだけでなく、用途に応じた最適なフォーマットを自分で選んで、適切な形でデータを提供できるようになりたいと考えています。そこで、現在学んでいるファイル形式について整理し、自分なりにまとめてみたいと思います。
ファイル形式にはPhotoshopのpsdやMayaのmbなど、同じソフトウェア間で情報の欠如なくデータを受け渡せるネイティブファイル形式もあります。しかし、異なるソフトウェア間でのデータやり取りの場合、ソフトに依存しないファイル形式を選ぶことが必要になり、その際にファイル形式への理解が重要です。
そこで今回は、ソフトに依存しないファイル形式に絞り、業務でよく使用される2D画像(JPEG、PNG、SVG)と3D画像(OBJ、FBX)のファイル形式について、それぞれの特徴や用途を整理してみました。
1. 2D画像のファイル形式

JPEG(.jpg, .jpeg)
JPEGは、非可逆圧縮形式で、写真やグラデーションが多い画像に適しています。圧縮率が高いため、ファイルサイズを小さくできますが、圧縮の際に画質が劣化します。主にWebや印刷物、SNS投稿など、サイズを重視する場面でよく使われます。画質とファイルサイズのバランスが求められる場合に適しています。
業務の中で使用する頻度はそれほど多くはありませんが、カメラ等で撮影をした際にはほとんどの場合JPEG形式で保存されるので、日常生活では特に身近なファイル形式の1つです。
PNG(.png)
PNGは可逆圧縮のフォーマットで、画像の品質を保ちながらファイルサイズを圧縮できます。特に特徴的なのは透明背景をサポートしている点です。そのため、イラストやロゴ、Webデザインなどでよく使われます。背景のないデザイン素材やアイコンを作成する際に便利で、品質を損なわずにデータを扱えるのが大きな魅力です。
業務の中でも最も使用しているファイル形式で、アイコンやロゴなどの背景を透過して配置したい場合に重宝しています。
SVG(.svg)
SVGはベクター形式の画像フォーマットで、拡大しても画質が劣化しないため、ロゴやアイコン、図形などに最適です。特にWebデザインで利用され、コード(XML)で記述されるため、デザインの編集やアニメーションも可能です。拡大縮小が自由で、デザインの柔軟性が求められる場面に非常に強力な形式です。
これまではSVGファイルには馴染みがほとんどありませんでした。しかし、資料作成においてFigmaを使用する機会があり、illustratorなどで作成したものをFigma上でも編集可能な状態でインポートすることができるため、そういった場合にSVG形式を利用しています。
2. 3D画像のファイル形式

OBJ(.obj)
OBJは3Dモデルの形状データを保存するための広く使用されているフォーマットです。多くの3Dソフトウェアが対応しており、シンプルな構造のため、異なるソフトウェア間でデータのやり取りをする際に便利です。OBJ形式はテクスチャやマテリアルの情報を保持することができますが、アニメーションデータは含まれません。そのため、静的な3Dモデルを扱う場合に最適です。
OBJ形式は、無料の3Dモデルなどで形などを確認したいときに、比較的小さいデータで確認する際などに利用しています。
FBX(.fbx)
FBXはAutodeskが開発した3Dフォーマットで、3Dモデルの形状に加えてアニメーションやマテリアル情報を一緒に保存できるのが特徴です。このため、ゲーム開発や映像制作など、アニメーションや動きが重要なプロジェクトに多く使用されています。FBXは他のソフトウェアとの連携がしやすいため、プロジェクト間でデータの交換が容易です。
FBX形式は、MAYA等で作成したデータをゲームエンジンへと移行する際に不可欠で、今後必要になってくる機会も増えてくると思うので、今のうちからしっかりと理解を深めていきたいと思います。
ここまでファイル形式についてまとめてきましたが、実際にこれらのファイル形式を使用してみると、 ファイル形式の理解だけでは不十分で、ソフトウェアごとの特性も考慮する必要があると感じました。 例えば、FBX形式でMayaからBlenderにデータを移行をすると、オブジェクトの向きがずれてしまうことがあります。これの原因については、MayaではY軸が高さを表すのに対して、BlenderではY軸が奥行きを表すためでした。
このように、ソフトウェアごとの特性も知っておかないと、うまくデータをやり取りできないことがあります。今後は、ファイル形式の特性を理解するだけでなく、どの環境で使うのかも意識しながら、最適な形式でデータを出力できるように努めていきたいと思います。