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社長日記

ゲームセンターの本

お気に入りのゲーム関連書籍を不定期に取り上げています。今回はおそらく日本で一番有名なゲームセンターを舞台とした、ゲームセンター勃興の記録ともいえるこの一冊です。

『ゲーセン戦記-ミカド店長が見たアーケードゲームの半世紀』
池田 稔 (著), ナカガワヒロユキ (その他)

弊社は山手線の西側、代々木駅が最寄ですがそこから数駅、高田馬場駅の戸山口というひっそりした改札を抜けると線路沿いに古いビルが視界に入ります。前を通ると店内からにぎやかな電子音が。現存するゲームセンターの中でも取り扱うゲームのラインナップや充実したプレイ環境で海外からも多くのプレイヤーが集まる有名店、「高田馬場ゲーセンミカド」です。

私も何度か行きましたが自分が学生のころに遊んだゲームが現役で稼働し、またそれらを求めて遊びに来る人のプレイのうまさに驚きました。自分も昔を思い出しコインを入れるも、当然のように腕が落ちているのであっという間にゲームオーバーに。100円でいかに長く遊べるかを競ったのが懐かしいです。

そもそもゲームセンターとはなんぞや?と思われる方もいるかもしれません。昔はちょっとした町にはゲームセンターがありました。大手メーカーの系列店から個人経営店、ショッピングモールの一角、駄菓子屋の軒先など。ビデオゲームは外で遊ぶものだったのです。それがファミコンなどの家庭用ゲームの登場とともに、自宅でも手軽に遊べる娯楽となり、風営法などいろんな理由が重なり、2000年代以降にはどんどんと減っていきました。

本作は1980年ごろのゲームセンターの始まりから対戦格闘ゲームの大ヒット、
プリクラや音ゲーといった新しい客層を生んだハードの台頭、ネットワークシステムの導入、様々な理由が重なり店舗数の大幅減少というここ30年ほどのゲームセンターの歴史が著者の経験より語られています。特に2010年以降はゲームセンターの経営がいかに大変か、それでもなぜ店を続けるのかが書かれており著者の熱量を感じます。私も働きだしてからはめっきり行かなくなってので、いろんな理由でゲームセンターが厳しい状況となった理由が本書で良くわかりました。

今後の継続のためには実際にゲームセンターに足を延ばしてその場で遊ぶのが一番良いのでしょうが、それ以外にも売上に貢献できる方法をいろいろと考えて実践されていることには感服しました。ここ最近では世の中的にも古いゲームを保存しよう、遊べる場を有志で保全しようといった動きも活発です。一店でも多くのゲームセンターが存続することを願っています。おススメです!

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