論文からゲームの世界を覗いてみた(BGM編)
こんにちは!新人プランナーの長浦です。気づけばもう10月、ついこの間まで蝉が五月蠅く鳴いていたのに……と思いましたが、ここ数年で徐々に蝉の鳴き声を聞く機会が減っていってるような気がします。地球温暖化のせいでしょうか。そのため今年の晩夏は、仰向けになった蝉がそこら中に落ちてない事を嬉しく思う反面、夏の風物詩が徐々に減っていく感覚に悲しさを感じておりました。
さて、今回は「物語のシーンにおける登場人物の感情状態とBGMの関係性抽出(情報知識学会誌)」というゲームに関する論文を最近読んだので、こちらの内容と感想について書こうと思います。学生の頃、卒業研究のために毎日色々な研究者の論文を読んでいたこともあって、今でも疑問を感じたことについての論文を見かけたら、ダウンロードして時間のある時に読んだりしています。論文と聞くと難しい用語や単語がたくさん並べられていて取っつきにくいイメージがあるかと思いますが、そんな事はなく、読みやすい論文もたくさんあります。個人的に読みやすいと感じるのは社会心理学関係の論文です。「人間の思考、感情および行動がどのような影響を受ける、又は与えるのか」という事についての面白いテーマがたくさんあり、人の心理や行動原理について知りたい方にはオススメです!
では本題に入ります。
この論文の内容をざっくりと説明しますと「ゲームのシーンに適したBGMを自動選択するシステムの開発」を著者達がしており、そのシステムの開発のために既存のRPGのシーンにおける登場人物の感情状態と、そのシーンで流れるBGMの関係性について実験を行った、というものとなっています。また、実験で使用したBGMのゲームジャンルは全てRPGです。実験方法などについての説明は長くなりそうなので割愛させていただくとして、早速実験結果を見ていきましょう。
この論文に書かれていた実験結果を以下の画像にまとめてみました。
この結果を見て個人的に驚いたのは、感傷のシーンでは極端に暗い音が鳴る事はないという事です。登場人物が感傷しているというと、全体的な雰囲気が暗くなりそれに伴ってBGMも暗めのものになりそうな気がしますが、論文では私の予想とは逆の結果となっていました。心を痛めても尚、それに対して前を向いていく登場人物の姿を曲に乗せるような演出をしている作品が多いという事なのでしょうか。自分でもいくつかのRPGをプレイして確かめてみたいと思います!
フィラメントに入って半年以上が経過した今、学生の頃よりも論文を読む機会が増えたような気がします。それはフィラメントの先輩方と関わっていく中で、自分が今まで知らなかった様々な作品やコンテンツについて教えていただき、それが自分自身の好奇心を活性化させているからなのかもしれません。
今回はゲームBGMに関する論文を紹介させていただきましたが、他にもゲームに関する面白い論文がありましたら次回の新人日記で紹介させていただきます!
※今回紹介させていただいた論文はこちらです。↓
物語のシーンにおける登場人物の感情状態とBGMの関係性抽出