風変わりなゲーム実況の本
ご無沙汰してます、シャチョーです。ゲームに関する本を不定期に取り上げています。今回はちょっと変わったゲーム実況の本、『ゲームさんぽ』です。
『ゲームさんぽ 専門家と歩くゲームの世界』
いいだ (著), なむ (著)
ゲーム実況と言えば配信者の人が面白おかしくプレイする動画や、高難易度ゲームを苦労しながらプレイ、あるいはいかに短時間でクリアできるかというRTAといったものが多いかと思います。FPSや格闘ゲームなど勝敗がはっきりとわかるものも非常に人気がありますね。いずれにせよプレイする側も、見る側も、基本的にゲームの知識を持っていることが一般的と思われます。
ゲーム実況「ゲームさんぽ」の特徴は、必ずしもゲームに詳しくない専門家の方と一緒にゲーム内の環境(マップ、システム、キャラクターなど)を見て回る、すなわち「ゲーム内をさんぽする」ことでゲームの世界を異なる視点から楽しむ企画と言えます。百聞は一見に如かず。アップされている動画は以下のようなものです。
公式ホームページ「ゲームさんぽ」より
一級建築士×Fortnite
気象予報士×ゼルダ BoW
精神科医×Detroit: Become Human
古代ギリシャ研究家×アサシンクリードオデッセイ などなど
どうですか?この並びだけで面白く感じませんか?!
ゼルダを例にすると、ゲームのプレイ経験がほとんどない石原良純さん(!)が、気象予報士の知識を活かし、オープンワールドのゲームで何をするかではなく、雲の形やフィールドに流れる風の動き、雪山から砂漠、火山などマップを移動する中での気温変化などを専門家の視点からいろいろと語られるのがとても面白いのです。
またゲーム内で再現された環境やシステムが、いかに現実に近しいかという昨今のゲームのリアリティの高さにもあらためて気づかれます。個人的にはDetroitの回にて、開始早々、登場人物の表情だけで性格や思考を考察、本ゲームのテーマともいえるアンドロイドと人間の共生といった深い部分にも切り込んできて驚きました。少ない情報でプロはここまで読み取るのか、と。
本書は過去の「ゲームさんぽ」の動画内容の書き起こしではなく、振り返ってのインタビューが多いので動画とセットで見ることで二度楽しめます。ゲーム未プレイでも、また動画を見てなくても、読み物として面白いので誰にでもおススメの一冊です!