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社長日記

インディーゲームの本

 このところインディーゲーム市場がますます活況です。昨年は講談社が、今年の春には集英社がそれぞれインディーゲームクリエイター支援プロジェクトを立ち上げました。インディーゲームと言えば海外、というイメージが強いかもしれませんが、昨年は日本からも『天穂のサクナヒメ』という大ヒット作品が出たことも話題の一つかもしれません。

 とかく盛り上がっているインディーゲームですが、一口に「インディーゲーム」と言っても定義が難しく、何をもって「インディー」とするかは人によって見解が異なると思います。個人的には大手ゲームメーカーから発売されるタイトル以外はインディーゲーム、くらいの捉え方でも良いかと考えています。それだと広すぎるのであれば、「少人数制作でどこか尖ったゲーム」という定義が近いかもしれません。

 家庭用ゲームであれば、ゲームを発売するためには必ずプラットフォーマーの審査と物理的なパッケージの製造が必要なので自ずとタイトル数が絞られましたが、PCやスマートフォンなどはもっと手軽にゲームをリリースすることが出来るようになったこともインディゲームの多様性とタイトル数の激増につながったと思われます。活況な反面、莫大な数のゲームから良作にたどり着くのは難しいという側面もあります。

 今回、紹介する本はそんな膨大な数のインディーゲームの選りすぐりの名作をまとめた、私が知る限り初のインディーゲームガイドブックです。

『インディ・ゲーム名作選』
田中 “hally” 治久 (著)

 取り上げられたゲームは主に2000年~2020年代で日本を含む全世界で発売されたタイトル、全263本。ジャンルもアクション、シューティング、アドベンチャー、パズル、RPGなど様々。仕事柄そこそこゲームに詳しいつもりの私ですが、なんと知らないゲームが多いことかと初めて読んだときは驚きました。まして遊んだことのあるゲームとなるとほんの一握りです。

 1タイトルの説明は画面写真が1点と400字程度の説明文、写真の大半がモノクロなのが残念ですが、オールカラーだとかなり高額になるでしょうから、やむを得ないと思います。紹介されているゲームはやはり圧倒的に海外のゲームが多いのですが、アドベンチャーや2Dシューティングを中心に日本のゲームも若干載っています。

 インディーゲームの特徴として「独特なアートワーク」のゲームも多いため、パラパラとページをめくって眺めているだけで楽しいです。ミニマルの極致のようなSuper Hexagonと、常軌を逸した絵作りで世界中を驚かせたCuphead、全く異なるゲームですがどちらもこれぞ「インディーゲーム」という気がします。

 インディーゲームにあまり知見がない私にとっては様々な情報が集約されており、大変面白い一冊でした。おススメです!

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