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VRアプリケーション『FOVE healthcare』

Works:制作協力に、『FOVE healthcare』を追加いたしました。
弊社がシステム・アプリケーションデザインを担当しています。


こんにちは、プランナーの田邉です。現在も絶賛テレワーク中です。
振り返れば3月からほとんど出社せずにいるわけですが、そんな状況下でマスターアップを迎えたのが、認知機能セルフチェックサービス『FOVE healthcare』。この夏から一部薬局などで稼働を始めています。
今回こちらのアプリのディレクションをやらせていただきましたので、開発中のあれこれについて、ちょっと書いてみますね。

はじめての“シニア向け”アプリ。

フィラメントはTOPページにも記載の通り、なかなか練度の高いメンツが揃った会社です(自分たちが言うのもほんと、なんなんですが…すみません)。
が、基本的にはエンターテインメントコンテンツをメインで作ってきたため、「シニア向け」「ヘルスケア」のアプリ開発は全く新しい挑戦となりました。

認知機能テストのアルゴリズムや問題内容は、FOVE社からご提供を受けています。
わたしたちが挑戦すべきところは「シニア世代の方々」に「VRの視線追跡技術」で「気軽に認知機能をテストしてもらう」ためのシステムと、コミュニケーションを構築する、という部分でした。
要件だけ聞くと、わーお結構ハードル高そう。って感じですよね。でも…

初めてのことは楽しい。

仕事の話なのにいきなり「楽しい」から入ってしまって緊張感が著しく落ちそうなんですが、事実なもので… おおよそ開発会社にいる人間はみんな大体、新しい技術や新しい仕事が好きなものです。
FOVE社から開発機としてヘッドセットが届いてセッティングが終わると、どこからともなく「これ、どんな感じですか?」「ちょっと試していい?」と、わらりわらりとスタッフが寄ってくるような感じです。

視線追跡機能搭載型VRヘッドセット「FOVE」。
どこからともなくスタッフが、わらり、わらり。

さて試してみたところ、FOVEはアイトラッキングの精度が非常に高く、操作自体にストレスはほぼありません。が、操作しているの人間の目の方が! 場合によっては結構疲れる!
人間の「周辺視野」自体は左右それぞれ100度あるそうですが、いざやってみると目だけを動かして注視するのは右60度程度でもなかなか難しいですし、そもそも加齢で視野は狭まるそうなんです。さらに焦点を当てたところから見える「有効視野」も、実はかなり狭い。

そしてそもそも今回、「VR」です。
シニアの方はほとんど体験したことがないんじゃないでしょうか(20代でも未だ30%程度の体験率だそうです)。
ですので、可能な限り「わかりやすく」「ストレス少なく」トライしていただけるUI・UXを目指して、操作感や視野など様々なテストを試しました。

VR内で行う年齢入力の流れ。
認知機能テスト自体の操作が「正解の対象を見つめる」だったので、新しい操作は増やさず、同じ様に正解対象を見つめて絞り込んでいく仕様にしました。

思い描いたのは“シニア向け”だけど“シニア扱いしない”アプリ。

世の中のシニア向けデザインとかサービスって、どことなく「機能重視」とか「安心安全」テイストというか…若い世代による「シニアとはこういうもの」という思い込みでデザインされているモノが目立つ気がするな、と昔から個人的に思っていました。

でも待ってください。例えば70代って、糸井重里なんです。矢沢永吉なんです。あるいは高田純次で、新しいアメリカ大統領なんです。
『FOVE healthcare』は、そんな人達もターゲットに入っているプロダクトだと思いました。いろいろな方が使用されるのを想像してつくりました。

なので例えば、BGMはしっとりゆったりした環境音楽などではなく、ちょっとPOPなリズム感あるものにしました。ただ電子的な音は耳障りかもしれないと思い、音そのものは楽器の生音(ピアノとかチェロとか)主体で構成されている曲を使っています。また文字だけでなく音声でのナビも必要最小限、実装しました。

「認知機能をテストする」ということは、健康な方でも少し不安な気持ちになるものではないかな、と思います。年齢やそういう可能性と向き合うのは、気安いことではありません。
そういった不安感なども出来るだけ軽減すべく、シニアの方に向けた「思いやり」は機能面デザイン面ともにしっかり入れつつ、「シニア扱い」は極力省いたプロダクトを目指しました。

『FOVE healthcare』を試されるみなさまが、心地よくテストを終えられるとよいなと思っています。

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