YouTubeで勉強するゲームデザイン
新人グラフィックデザイナーの清水です。
ゲーム大好き人間な私は普段から実際にゲームもプレイしますが、動画サイトなどでゲームに関するコンテンツも頻繁にチェックしています。
ゲームに関する動画と聞くと実況プレイなどを思い浮かべる人が多いかもしれませんが、今回はゲームデザインについて語られた珍しい動画を紹介させて頂こうと思います。
紹介する動画はどちらも英語音声ですが、動画右下にある設定ボタン(歯車のマーク)から字幕の言語を選択することができますのでご安心ください!
Gaming For A Non-Gamer | Razbuten
投稿者が非ゲーマーである投稿者の妻に様々なゲームをプレイしてもらい、その様子を観察しながらゲーム設計の細かい成功や失敗について分析する動画シリーズです。
私は長年ゲームをプレイしたりゲームの動画を視聴したりする中で、ゲーム初心者特有の視点を失ってしまいました。
自分が当たり前に行なっている操作が本能的なのかそうでないか、ゲーム作りに携わる人間として非常に勉強になるコンテンツです。
この動画の中で考えさせられたのが、スティック操作を伴うカメラ移動についてです。
普段ゲームで遊ばない投稿者の妻は、ゲーム内で右を見る時にスティックを右に傾けることが直感的ではないという風に主張していました。
確かに多くのゲームでは右を向く時にスティックを左に傾ける「反転カメラ」も機能として備わっています。
これに対し投稿者は「スマホの画面では右にスクロールするために左に指をスワイプするが、普段使っているスマホの操作感をゲームに適用させようとした結果、この違和感が生じたのではないか」と推察しています。
スマホが生活の一部となった今、その操作感はゲームデザインにとって無視できないルールになっているのかもしれません。
実際、初めて触ったWindows機のマウスによる上下スクロール操作が、スマホ操作に馴染んだ私の感覚と逆になっていたため非常に苦しんだ経験を思い出しました…。
2019年、大作ゲームのアクセシビリティ(遊び易さ)はどうだったのか? | Game Maker’s Toolkit
2019年にリリースされたゲームから「遊びやすさ」に対してどのような工夫が見られたのか、またはどのような問題があったのか、について論じられた動画です。
耳が聞こえない人に敵の足音を知らせる工夫や、視力が弱い人でも読みやすいフォントやサイズ選びなど、自分が普段意識していない部分でのゲーム評価が行われており非常に興味深いものでした。
特に難易度に関するデザインは難しいものです。一般的にはどんなプレイヤーでも平等にクリアできることが望まれるため、プレイヤーが難易度を下げる選択をしても同じ結果が得られるようにデザインされるべきだと述べられています。
しかし、あえて高い難易度を選択してクリアすることによるユニークな報酬が欲しいというのもゲーマーの自然な感情です。
これをどうゲームデザインで解決するのか。難しい問題ですね。
この Game Maker’s Toolkit というチャンネルでは他にも様々な動画を公開しています。
「ゲームデザイナーは否定的な意見に従うべきか?」「報酬を逆効果にする心理学」など、ワクワクするようなタイトルばかり、ゲーム制作に興味のある方は是非チェックしてみてください。
動画サイトで楽しむゲームコンテンツとしては攻略動画や実況動画などがメジャーかもしれませんが、こういったゲームを客観的に研究・分析したものも多くあります。みなさんもYouTubeで面白いコンテンツを探してみてはいかがでしょうか。