ゲーム関連書籍を不定期で取り扱う本コーナー。前回、前々回は希少本として非常に古い本を取り上げましたが、今回は古さと新しさの両方を兼ねた一冊を紹介させていただきます。

『ALL ABOUT namco (ナムコゲームのすべて)』
発行：電波出版社

　我々のようなオールドゲーマーにとって、ナムコというメーカーは特別な存在であることは以前も触れたが、人気絶頂の1980～85年ごろのアーケードゲームを網羅したのが本書である。

　オリジナルは1985年、『月刊マイコンBASICマガジン』別冊として発刊。ナムコ絶頂期のアーケードゲームを豊富な資料や当時はまだ珍しい攻略情報が掲載され、非常に貴重な本であった。ゲーム総合誌の『ファミコン通信』発売が1986年なのでいかに先駆者であったかがよくわかる。当時はまだ中学生で少ないお小遣いの中からひねり出してベーマガを購入し、熟読していたことを思いだす。

　それがまさか昭和、平成を飛び越し、令和の今、35年の時を経て復刊されるとは！初めてニュースを見かけたとき、何かの間違いではないかと驚いた。もちろん初版は所有しているが、令和版は何が変わっているのか確かめるべく、すぐさま注文。Amazonではあっという間に在庫切れでプレ値になったのは私のような古参ファンがたくさんいるからであろう（現在は増刷して普通に買えます）。

　発売後、手元に届いた本を手に取る。以前より版型が大きい。そして値段が高い。ハードカバーでもないのに4,300円。おそらくこの本を買う層はこれくらいの金額でも躊躇なく買えるような大人になったということであろう。ページをめくると当たり前だが35年前と全く同じ情報。

　第1章ナムコゲームの魅力をさぐる
　第2章世界のスーパー・キャラクター　パックマンとその仲間たち
　第3章ナムコスペース・ゲーム大研究
　第4章ナムコキャラクター・ゲーム研究
　第5章ナムコニュータイプ・ゲーム大研究
　第6章パソコンで楽しめるナムコゲーム
　第7章ナムコグッズ総カタログ
　第8章サウンドで楽しむナムコゲーム　ナムコミュージック集
　第9章ナムコキャラクター総図鑑

　こんなにも一メーカーの情報をまとめた本は当時なかった。紹介されるゲームは、ギャラクシアンシリーズ、パックマン、ゼビウス、マッピー、ドルアーガの塔など今でも移植、リメイク、レトロゲーム復刻などが活発に行われているゲームばかり。グロブダー全99面公開、パックランド全トリップ攻略など、当時熱心に読んでいた記憶がよみがえる。

　しかし令和に入って「メガドライブミニ」から始まり、10月発売「ゲームギアミクロ」、11月発売「ゲームウォッチマリオバージョン」、12月「アストロシティミニ」と復刻ゲームが多すぎる。購入することに迷いはないのだが、保管場所がどんどんなくなっていくのが悩ましく。また、年末にかけてXBOX SERIES XとPlayStation5も発売予定で、大変にぎやかな年末になりそうである。古いゲームも新しいゲームも追いかけないと。ということで、当時を懐かしめる人にとっては大変楽しい一冊です。