eスポーツの本:その1
2018年1月、いよいよEVOが日本で開催!!
って、初っ端から何を言っているのかわからないかもしれませんが、ゲーム業界に身を置くものとして避けて通れないここ数年の最頻出ワード、それがeスポーツであり、EVO(=Evolution Championship Seriesの略称)なのです。
eスポーツ … ビデオゲームを使い対戦をスポーツ競技化した呼称
EVO … 対戦格闘ゲームに特化した由緒あるeスポーツの大会
昨年のEVO2017で「ときど」選手が優勝した際には、YAHOOニュースにも取り上げられるという一大トピックでした。ということで、今回の一冊はこちら。
『東大卒プロゲーマー』 著:ときど
http://amzn.asia/aVrTnYx
2014年7月初版なので約3年半くらい前。
裏表紙に著者の経歴詳細があり、まずこの時点で面白い。ときど氏(なぜ「ときど」という名前かは本に説明があるので各自ご確認を)は、めちゃくちゃ自由な校風で有名な麻生中から東大工学部に進学するも中退、プロゲームの世界へ。日本初のプロゲーマー、「ウメハラ」氏に続く二人目の格闘ゲームプロゲーマーとして数々の大会で好成績を残す。今、最も知名度があるプロゲーマーの一人である。
表紙にはサブタイトルで「論理は結局、情熱にかなわない」と。
もう、ほんとこれだけでお腹いっぱい。
うなずくこと、この上なし。
ピクサーやジブリ、あるいはマンガ、映画、ゲームなど制作に携わる職種に関して本当にこの「情熱がなによりも上回る」というフレーズは良く見かける。その真理に、若干20代で到達しているのだから凄いし、これを表紙に持ってくるセンスがすばらしい。
ときど氏は東京で御三家とよばれる名門中に入り、東大に進むのだから頭はバツグンに良いのだろうが、ご自身でも書かれているとおり子どものころはゲーム三昧。
〜僕にとって、勉強とは、「ゲームができない時間にやること」でしかなかった。(P.74)
ゲームができない朝夕の通学電車と学校、塾以外は全てゲームに回す。そのためには圧倒的に効率よく勉強する必要があるわけで、これがゲームのスタイルにおいても顕著に現れる。すなわち、合理的で無駄のないときどの戦いは見るものにとって勝利至上主義でつまらない、と後ろ指をさされることも。
〜僕の戦い方は、いってみれば、「ひとつの絶対的な勝ちパターンを編み出して、それを相手に押しつける」ものだった。(P.167)
アマと異なり、プロは勝つ上に「魅せる」ことも同時に求められる世界。野球やサッカーと同様、弱くても華がある、人気チームの存在もプロたるゆえん。さらに強く、魅せるためにときど氏は研鑽を重ね、たどり着いたのが王道の勝ちパターンの発見→実行から、その先を行く「誰もが試していない道、方法の追求」である。一見、無駄な行動かもしれないところにさらなる解がないか? 効率を追い求めてきた人だからこそ、重みがあり、表題の「論理は結局、情熱にかなわない」に通ずるのであろう。
〜合理性や効率を極めた僕だからこそ、合理性や効率だけでは勝つことができないことをもって学ぶことができた。情熱や闘争心がそれらを凌駕することを知った僕は、これからは「自ら楽しみ」、かつ「魅せる」試合で、世界一の優勝回数を増やしていくことを誓う。(P.193 )
というセンテンスからの、EVO決勝での瞬獄殺。
しびれるねぇ!!!
ゲームに詳しくなくても見て楽しめるEVO決勝の動画をぜひ。
EVO2018は2018年1月26日より、いよいよ日本での開催だそうで、この勢いで大成功となりますように!
EVOジャパン公式サイト
https://evo-japan.net/