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制作現場の日常

初めてのMASH!

こんにちは。CGデザイナーの八谷です。

唐突ですが、Mayaの「MASH」にダイナミクスの機能追加がありましたね。
私の普段の仕事ではリアルタイム処理用のデータ作成が8割くらいなので、ついついMayaで使う機能も偏りがちになり、眠らせているものが殆どです。
「MASH」に関しても同様になかなか使う機会が無かったのですが、先日ネットで「MASHで簡単に鎖状のものが作れる!」みたいな記事を見つけて「アレに使えそうかも」と思い、空いた時間にちょっとだけ触ってみました。

まず「MASHって何?」というところですが、簡単に言ってしまうと「オブジェクトを複製コントロールできる便利機能」くらいに思っています。
例えば鎖状のもの作る場合は、大量のドーナツを角度や間隔を変えつつカーブに沿わせるだけで簡単に作れてしまいます。素晴らしい。

今回は簡単なキャラクターを作ってそこにMASHを使ってみようと思います。
具体的なチャレンジとして考えたのは「タコ型ロボの脚の部分にMASHを使い、脚の長さによってパーツを複製する」ことです。
前述の「アレに使えそうかも」の「アレ」とはこの脚の部分のことでした。


では早速作っていこうと思います。

↑まずはイメージ固め。タコ型ロボの4本脚にこんな風にMASHが使えれば成功。

↑さて、シンプルではありますがこれでキャラクターモデルは完成。 足元に落ちている小さなパーツを胴体から延びる4本のカーブにMASHで複製して沿わせるイメージです。 その際、カーブの長さを取得してパーツの複製数に関連付けることで脚が出来上がるはずです。

↑予想通りの結果ですね。胴体を持ち上げる前と後では複製数も「10」から「38」に増えて理想的な脚になりました。
せっかくなのでアニメーションも付けてみましょう。

↑胴体が持ち上がって脚が伸びています。何かを探しているような仕草ですね。
ただ残念ながらMASHを表示しながらアニメーションを付けると処理がとても重かったので、非表示にしてから作業を進めました。

↑動きが決まったので、MASHを再表示に。確認しやすいように白とグレーが順番に並ぶように設定しました。これが容易にできるのもMASHの優れたところですね。しかしよく見ると動きの中で脚のパーツがカクカクしているようにも見えます。

↑恐らく複製数が整数だったため、増減する瞬間にパーツの間隔が変化してしまうのが原因のようですね。とても惜しい。


はい。今回のMASHチャレンジは課題を残しつつもこれにて終了です。
冒頭で触れたダイナミクスの部分に関してはまた別の機会に試すとして、新しい機能に触れることで新しいアイデアも湧いてきました。
Mayaに限らずどのツールでも、時間を見つけて普段使わない機能に触れることで、それまでとは全く異なるアプローチを思いつくことがあります。
失敗に終わることもありますが、新しいことに取り組んでいるプロセス自体が意外とワクワクして楽しかったりもするんですよね。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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