ゲームのマンガ:その2
シャチョーの趣味と実益を兼ねたゲーム関連書籍の紹介、前回に続いてゲームに関するマンガのご紹介。テレビドラマにもなった名作『東京トイボックス』です!
『東京トイボックス』
著者:うめ
http://amzn.asia/1BZOHUc
舞台となるのは秋葉原のとある弱小ゲーム制作会社。自称天才ゲームプランナー天川太陽が率いるスタジオG3に、IT系大手企業からゲームに全く興味のないキャリアウーマン月山星乃が社内抗争の余波をうけ、経営立て直しのために出向させられる。はたしてG3の運命は?
このマンガの魅力はテンポの良さとリアリティの高さ。初めはゲーム開発に理解のない月山ちゃんが、だんだん自分が関わるゲームに愛情をもつようになるところが良いところ。リアリティという面では、コンペを通すための捨て企画の作成や、ゼロからのゲーム制作ではなく、オリジナル要素を追加した海外版の開発など、ゲーム業界では良くある話だけど普通こんなの題材にしないよね?と初めて読んだときは驚きました。
作者によると、連載に際してゲーム会社の取材を実施するべくあちこち当たったところ、秋葉原にあるアクワイア社が快く協力してくれたとのこと。アクワイアといえば古くは『天誅』シリーズ、『侍道』シリーズ、つい最近ではSQEX社より発売された『OCTOPATH TRAVELER』の開発など多彩な作風が持ち味の老舗デベロッパーですね。開発フロアの風景やそこにいる人物たちもどおりでリアリティが高いわけで。
開発中期における
「みんな喜べ、またおもしろくなっちまったよ」
という仕様変更の指示から、開発末期における
「これはバグじゃない、仕様だ」
あたりのセリフへの変化は、ゲーム開発経験のある人なら首がもげるほどうなずくこと請け合い。
連載開始が2005年と10年以上前の作品なので、ところどころ時代的に古く感じるシーンもありますがその「魂」は変わらない。ちなみに「魂」が入ってる、入ってないはこのマンガの重要フレーズとして何度も登場します。全2巻で完結という短さも一気に駆け抜ける爽快感すらあり、超おススメです!